「やべ、俺……もう我慢の限界かも」
え?
そう聞こえたのもつかの間。
あれ?
なな、なにっ!?
見えるのは、天井?
なんでっ!!?
今の状況を理解しようと、思考をフル回転させていたあたし。
その中に、いやに真面目な顔した要が滑り込んできた。
「未央……」
重なる体。
掴まれた手首に、グッと力が加わる。
「え? ちょ、ちょっと!要っ、要……ま、待って……」
「待てない」
ぎゃー!
首筋に感じる要の熱い息遣い。
ドクンドクンってすごい速さで鼓動を刻む心臓。
これってあたし?
それとも……要なの?
要の熱いキスは、頬に落ちる。
そしてそれは、さらに耳たぶを焦がした。
「んっ……」
要に触れられてるところから熱をおびる。
知らないあたしが、顔を出す。
逃げたい。
こんなの耐えられる訳がない……。
だって、だってこんなにドクドク言ってるんだもん。
絶対死んじゃうよっ!
そう思うのに、要の両腕に囲まれたあたしは身動きがとれない。
「ね、ねぇ。要? 我慢って、なに?」
なんとか要の気を引こうと、しどろもどろになりながら言う。
それでも、要の力は緩むことはなくて。
少しだけ顔を上げると、悪戯に口角をクイッと上げて怪しげな笑みを零す。
「要?」
な、なに?
その顔っ……!
恐いんだけどぉー!
もう半分涙目。
だけど、そんなあたしの反応を楽しむかのように、要は捕まえていたあたしの腕をさらに持ち上げながら鎖骨にキスをした。
「こうゆう事」
「え?」
首筋、頬、おでこ、そしてまた首に次々と、キスをされる。
ひえ~~~っ
これって
これって、つまり……。
やっぱり、そう言うことなのぉ!!?
助けてぇー!



