要はクリクリのまあるい瞳をウルウルさせてあたしを見上げて言った。


「朝、起こしにきてよ?」

「へッ!?」



朝起こすって・・・


それ・・・今、あたしに言ったの?


それはきっとあなたのお母さんに言うべき事じゃないかしら?



「どうなの?」

「どうって……な、なんで?」




あたしが聞くと要は真剣な表情になって言った。



「俺……目覚ましだけじゃ起きれなくてさ。 母さんに頼むのは、なんつーか……もうこの年だし? まあ、俺の事はほったらかしだし……」


「……へ、へぇ」



要は手に持っていたぬいぐるみを床に戻した。
理由はよくわからなかったけど、居候の身だし。
それくらいはしてもいいと思った。



「で? 返事は?」

「え?……まあ、いいけど……」

「マジ? よかった。じゃあ明日からよろしく」



そう言うと要は極上の笑顔をふりまいて部屋をあとにした。



……返事はって……なんですでに上から目線なのかな?