あたしは1人部屋に戻り、荷物を整理していた。





―――コンコン





その時、誰かがドアをノックした。
壁にかかっている大きなデジタル時計に目をやると、時間はすでに11時をまわっていた。



……こんな時間に?
誰だろう。




「はーい」




あたしの声を確認すると、ゆっくりと飴色のドアが開いた。
少しだけ開いたドアの間からひょいっと顔を覗かせたのは、要だった。



制服姿じゃない要に思わず、胸がドキリと音をたてる。



うぅ……
ただでさえ、男の子苦手なのにぃ……
心拍数を上げていくあたしの体。
それに気づかれないように、あたしは冷静を装って要を見上げた。



「な、なに?」



思わず身構えてしまう。
静かにドアを閉めると、要は部屋の中に視線を巡らせた。



「へぇ。もうなんか女の子の部屋って感じだなぁ~」



何の気兼ねなく、要は部屋を見渡しながらこっちにやって来る。



ドキン
 
ドキン



あーもう!
静まれ心臓ッッ!!!