顔面レベル100の幼なじみと同居なんてゼッタイありえません!



「……ただいまあ」


あたしは誰もいない家に入る。
慣れたとはいえ、やっぱり他人の家に上がるのは緊張してしまう。


部屋に入り、鞄を置いた。
そのままあたしはベットに倒れこんだ。


時計を見る。


6時か……。


要、遅くなるって言ってたっけ。

……なんで?
部活?



あたし、要のことなにも知らないんだな。


誕生日も、好きな音楽も好きな映画も。

なにも知らない。


一緒に住んでから1ヶ月たつ。
唯一わかってきたのは、食べ物かな。

要は、お肉の脂身が嫌い。好きな物はツナ缶だったりする。


ぷくく。

あの顔で、ご飯とツナがあればいいなんて想像できない。

あたしは、春とか、苺とか……犬と猫なら犬だとか
キラキラ光るものとか。かわいい雑貨とか。
いろいろあるけど……。

要の好きなものって、なんだろうな……。




そんな事を考えてながら、あたしの意識は段々遠のいていった。