『こんなギリギリになっちゃってごめんね。とりあえずは全部案内できたと思うけど…分からないところがあれば私か…Aクラスの誰かに聞いて?みんなやさしい人だから』


私たちは教室の扉の目の前まで行き、説明を終えた。


 『じゃあ…ようこそ我が2-Aへ』

私はそういいながら扉を開け、みんなが待っているだろう教室内へ海くんを案内した。
と同時に陽ちゃんが

 「さぁ、みんなお待ちかねの転入生藤原 海君でーす。藤原君コッチ!!」

と陽ちゃんに呼ばれ教卓の横に立つ海くんを横目に私は扉を閉め、窓際の自分の席へと戻った。


 「藤原 海です。よろしくおねがいします。」

拍手はないけれど、みんなキラキラとしたまなざしで海くんを見つめていた。


 「う~んとそれじゃあ…といっても席はたさなきゃなかったから足したんだけどね…賀斎さんの隣にどうぞ。」


私の隣・・・?


・・・席一つ増えてるし‥気付かなかった…


陽「わからないことがあれば賀斎さんに聞いてね?まぁ、藤原君なら大丈夫だと思うけれど。みんな、藤原君はすごいんだよ~賀斎さんと良い勝負が出来そうなの。おもしろくなりそうだね~」


…陽ちゃん…教師がそれ言っちゃっていいの?
まぁ、それが陽ちゃんの人気の理由なんだろうけど…


海「詩姫、よろしく。」

 『あ、うん。一応聞くけど…この学校のシステムとかはわかってる…よね?』

海「…PCを使って授業をする。」


最初の沈黙が気にならなくもないけれど・・・

 『うん。まぁそうかな…あ、一応言うと…この学校はABCDEのクラスに分かれててAが上でEが下。テストとかの成績が下がったらもしかしたらBクラスの誰かと交代…なんてこともなくはないから頑張ってね』


海「さすが私立校…厳しいんだな。頑張るよありがとう。」


海くんっていい人だなぁ…ちゃんとお礼言うし、丁寧だし…
あのドキドキは緊張だったみたい…