ガラっと職員室の扉が開けられてそっちに目を向けた・・・

彼が陽ちゃんの言ってた転入生…
綺麗な顔立ちだなぁ…


なんて私が考えていると陽ちゃんが早口で言う。

 「じゃあ賀斎さん、頼んだよ!私は職員会議があるからまた後でね!」

そういうと彼の紹介もせずに職員室へと消えてった。


 「・・・・・」


彼はあらぬ方向を見てぼーっとしている。
私は何故か初対面の彼を見てとても懐かしいような…
こみあげてくる何かと胸の高鳴りを感じた‥

ってこの高鳴りはそういうのじゃないからね!恋とかじゃないから!!
自分に言い聞かせて平静を装い口を開いた。

 『はじめまして。私はあなたと同じクラスの賀斎 詩姫。陽ちゃんからあなたに学校案内をしてって頼まれてるの。よろしくね?』


 「あぁ…俺は藤原 海(ふじわら かい)よろしく。詩姫でいいよな?…陽ちゃんって誰だ?」

他問自答デスカ…
あぁ…そっか彼は知らないよね。


 『陽ちゃんはAクラスの担任…さっきの先生ね。神崎 陽だから陽ちゃん。みんなそう呼んでるけど、陽ちゃんの前では先生を付けないと怒られるから気を付けてね。藤原君って呼んでいい?』


説明してる間じっと顔を見られてる…
なんかついてるかな?なんて思いつつ私も彼を見る。

見れば見るほどカッコいい人だなぁ‥
背は高いし結構痩せてて筋肉ありそう…
自由に遊ばせてる黒髪もちょっと天然入ってるのかな?
カッコいいし…

うん。藤原君は誰がどう見てもカッコいいの部類に入る人だね。


 「陽ちゃん先生…人気なんだな。ご忠告どうも。あと、藤原君じゃなくて海でいい。」


 『わかった。じゃあ海くんね。とりあえず、上から案内していこっか。ついてきて』


私は海くんを最上階の教室から生徒会室、図書室、多目的室と特別教室まで時間内ギリギリまで案内した。