「そろそろ告白しちゃえばいいのに…誰かに取られてからじゃ遅いんだよ?」


「うるせえ。それよりお前こそ好きなヤツとどうなったんだよ。」


ルキにも一応気になる人がいる。

それが誰なのかは教えてくれないが。



「…まあ、ぼちぼち。」


「そろそろ教えてくれてもいんじゃね?」


「何が?」


「お前の好きなヤツ。」


「カズは口軽そうだからな〜…」


「親友をそんな風に思ってたのかよ。ひでえ。」


「え〜?俺とカズって親友だったの?」



照れるな〜なんてケラケラ笑いながら振り返ったルキが、ん?と首を傾げるから、俺も続いて振り返ると、そこにはノートを持ったナツ。



「ん?なっちゃん?どしたの?」


「カズがノートいるかと思って。」


サボってた俺のためにノートを貸してくれるのか。



こんなさりげなく優しいところも大好きなわけで。



「…ルキから借りるから、いい。」



だけど俺は全然素直になれない。



「あ、俺ノートとってないから。寝てたし。」



まじかよ…



「だからなっちゃんに貸してもら「他のヤツから借りるからいい。」」


「…そう。」



スタスタと席に戻るナツの姿を見ながら、やっちまったな〜と今さら後悔。



「借りればよかったのに。」


「だまれ。」


「チャンスだったのに。」


「だまれ。」


「素直じゃないな。」


「だまれ。」


「だまれ。しか言えないのかよ。」


「…だまれ。」



前言撤回。やっぱりこいつは親友とは呼べない。