だが、レンがそれを刀で弾いた。


「テメェの相手は俺だ」


 レンは刀を振り上げる。

 さすがに多勢に無勢というべきか、倒しても倒しても敵は後から沸いてくる。


「これじゃキリがねェな」


 銃弾を避け、エイジは身軽に足だけで戦う。

 そして、ふとレンの方を振り返った。


「――ヤケに静かじゃねェか」


 戦っている“気配”がない。

 それに、視界を遮る程の敵の数。

 何故こんなにも大勢の怪しげな連中が待ち伏せしていたのか。

 ロンがあの“鍵”の情報を知っていたとして、その鍵が何の鍵なのかを知っているとは思えない。

 だが、何か嫌な予感がするのは確かだ。


「早ェトコ、片付けちまったほうがよさそうだな」


 短くなったタバコを吐き捨てる。