「…どっちに、逃げればいいのかしら?」


 リーは、ほっとしたように立ち上がる。


「西側の出口から。そこにはまだ、仲間が何人かいます。ここは俺たちが食い止めます…早く」

「わかったわ」


 武器を持ち、リーと部下たちは足音がする方へ走りだした。

 それとは反対の方向へ、ミサトとユイは急ぐ。


「…まだまだ、捨てたモンじゃないみたいだね、ユイ」

「………」


 その言葉に、ユイは答えなかった。