身体を反転させてその場を飛び退き、ついでに手近にいた男に回し蹴りをくれてやる。

 小さな事務所でしかないので、制圧するのにそんなに時間はかからない。

 ここにいる人間は、もうほとんど戦意を失っていた。

 怯える一人に馬乗りになり、そのこめかみに銃を押し付ける。


「答えるか、答えないかはあなたの心がけ次第よ」


 にっこりと微笑んで。


「その金庫にあるモノは、一体どこから流れてきたの?」

「………」

「殺しはしないけど」


 カチャリ、と劇鉄を起こす。


「この銃をね、耳元で撃つとどうなるか想像できる?」


 心底怯えきっている男は、必死に首を横に振る。


「知らないの? 鼓膜が破れる前に、ちゃんと答えたほうが身のためよ 」


 今の自分が情報を集めるには、こうするのが一番手っとり早い。


『世界中のどこにいても、あたしがあんたを見つけだし てみせる』