だが 、すでにそこは怪しげな連中で埋め尽くされていて、とても堂々と調べられる状況ではなかった。

 ミサトはかなり本気な眼差しで、その連中を蹴散らすつもりだったらしいのだが、レンはやっとのことでそれを押し止め、今に至る。


「俺たちがあそこで騒ぎ起こしたら、あっという間に何百人に囲まれてたかも知れねェんだぜ?」

「でもさ、じいさんの大事な店を、あんな連中に勝手に荒らされるのが許せなかったんだもん」


 そんなミサトを見て、レンは苦笑する。


「そりゃそうだがよ。大体こんな鍵一つ渡されたって、どうすりゃいいのかさっぱりわからねェし…。ここは一旦ユイ達と合流したほうが得策じゃねェのか?」

「…それもそうだよね。エイジのことも気になるし…ユイがついていてくれるから、無事だとは思うけど」

「じゃ、決まりだな」


 そう言って、レンはエンジンをスタートさせた。