「ったく…次から次へと」


 ルームミラーを見ながら、エイジは舌打ちをする。


「ユイ、この車に武器は?」

「これだけ」


 ユイは自分のバッグの中から、銃を取り出す。

 そして、後ろにぴったりと付いてくる黒塗りの車を睨み付けた。


「…久々のカーチェイスと行きますか」


 エイジはそう呟くと、一気にアクセルを踏み込む。

 大分都市部に近づいて来てはいたが、辺りはもう夜の帳が 降りようとしていた。