「ま、襲ってきたのが誰であろうと、いつものことだからな」


 ぱんぱん、と服に着いた埃を払いながらレンは言った。


「でもさっきの男達“あの二人”って言ってたわよね?」

「あァ」


 だとすると。ヤツらは自分達が何者なのか知ってて襲ってきたと考えられる。

 今まで身を隠してきた自分達が合流した途端に居場所まで知られてしまうのは、どう考えても不自然だった。


「もしかして、エイジに何かあったのかも知れない」


 眉をひそめて、ミサトは言った。

 手紙に書いてある住所に向かう途中で、何かあったのか、それとも。


「今からそこに向かうわよ、レン」

「………」

「…どしたの?」


 入り口の扉の前に立ち、まだ動かないレンを振り返って、ミサトは言った。


「あいつのことになると、必死になるよな」

「…え?」

「いや、何でもねェ。行くぞ」


 ミサトを押し退けて外に出るレン。


「ちょっと…なんなのよ」


 その後を、ミサトは慌てて追い掛けた。