薄れる意識の中で、確か前にもこんなことがあったな…と、思い出す。

 そして、意識を失う寸前に、ユイの顔があの写真と重なった。


「……ユイ…」


 完全に意識を失ったエイジの傍らにしゃがみこんで、インホアはその寝顔をそっと覗き込む。


「一人で来るなんて…。危険なことから身を守る術をわきまえてるってことかしら…?」


 ここまで来ると本能的な行動なのかも知れないわね、と呟いて、インホアはエイジをゆっくりと抱き起こした――。