「ユイ…!」


 エイジは動く。

 だがその時、銃声とともにロンの部下が何人か倒れた。


「こんな人数しか揃えなかったの? あたし達も舐められたものね」


 銃を構え、ミサトが言った。

 その横には、レンの姿もある。


「…ミサト!」

「光栄ね、世界を取り仕切るマフィアのボスに名前を覚えてもらえるなんて」


 ロンはミサトの左腕を見て、全てを理解したようだった。


「なるほどな。あの女が寝返ったか…」

「あんたはもう終わりよ。爆破プログラムは、あたしが破壊した」


 ロンの顔が怒りの表情を浮かべる。


「そうか。…なら、この組織が壊滅することはなくなった訳だ。本当は、あの爆破プログラムが欲しかったんだが…もう遅いんだな。たまがこれで心置きなくおまえ達を殺すことが出来る」


 ミサトとユイ、エイジとレンは、臨戦態勢に入る。


「…やれ」


 ロンの合図で、辺りは一気に戦場と化した。