相手の気配を探る。

 お互い物陰に身をひそめていて、相手の姿は見えない。

 ミサトは一つ、大きく深呼吸する。

 そして、フッと腹に力を入れ、道に飛び出す。

 同時にツァンダオも動く。


「じゃあね」


 ミサトは左手で銃を構えていた。

 ツァンダオの動きが一瞬鈍る。

 がぁん、と一発の銃声が辺りに響いた。

 ミサトが放った銃弾は、ツァンダオの眉間を貫いていた。

 身体から力を抜く。

 銃を下ろし、ミサトはよろよろと店の中に入った。