「組織のスナイパー達は皆、この入れ墨をされるの。これを押された者は、即“失敗=死”の世界に引きずり込まれる」

「じゃあ、エイジやレンも…」

「身体のどこかにあると思う。例外はないから」


 ユイはその入れ墨をじっと見つめた。


「ちょっと、あんまり見ないでよ、ユイ」

「組織のマークか何か?」


 ユイが首を傾げるのも無理はない。

 その入れ墨は、一見マークのように見えるが、巧妙な方法で、実は数字が組み込まれているのだ。

 それは、個々の認識をするためだけのコードナンバー、3ケタの数字が刻まれていた。


「ちょっと見ただけじゃわからないでしょ?」

「確かにそうね…あの二人にも、ナンバーが?」

「多分。あたしは見たことないけどね。消してなければ、あるんじゃない?」


 車は、あと少しで待ち合わせのユイの別荘に到着する。