小さなライトで腕時計をみると
時刻11:45分を回っていた。



隣では、今にも泣き出しそうな時雨が
震えていた。


「もうすぐ翔怜がきてくれるよね…?」


弱々しく聞く彼女に、
俺は黙ってうなずいた。



時雨は、翔怜の彼女。
そんなことは、分かっている。


「…なぁ、時雨。」


「な…に?」


「翔怜の、どこが好きっ…?」


俺は、聞いた。
俺にとって翔怜は、
餓鬼の頃からの付き合いだし、
あいつの女を獲ろうなんて
思ったことなかった。



でも、