時雨…


俺は、時雨とはぐれてからずっと
山を歩きまくった。

でも、宮下 愛に、
止められたんだ。



親父に頼んで、
捜索願を出してもらった。


あれから数時間。


もう外は真っ暗だってのに、
未だ見つからねぇ。


一番心配なのは、
時雨が愁夜といることだ。


愁夜が時雨の事を好きなことぐらい、
見てりゃ分かるっつの。


愁夜は、俺から時雨をとるなんて
考えてないだろうけどな…


「翔怜君!!」


俺を呼んだのは、
何かと有名な、
瑠璃川 邑 だ。