運命桜―あなたに会えた春―

私と同じぐらいの、男の子。


金色のラインが入った黒い詰め襟の制服を着ている。


サーベルを下げているのを見て、私は一瞬で警官だと察した。


でも、こんな制服は見覚えがなかった。


「よっ」と呟いて、男の子は木から飛び降りた。


地面が、トンッと軽い音を立てる。


「……桜って……綺麗だよな」


「あっ……はい。そうですね」


隣に立った男の子は、私よりも身長が高かった。