「どうやら風邪を引いてしまったようで……申し訳ありません」

「わざわざ謝らなくても……」

芭瑠、私が寝るまで起きているから。毎日忙しいし、体調を崩すこともある。


「ですから、今日一日はお部屋でじっとして居て下さいな」

「……うん。お大事に」

彼女にそう声を掛けて、部屋を出た。


(さて……これからどうしようか……)

正直、外の世界への好奇心は収まっていない。

(芭瑠に何か……お見舞いの品を買えないだろうか……)