「んー。郁美の知らない人♪」
言葉を濁してみた。
「あ、中学の子みたいな?」
うっ。
そういうときだけ鋭い。
「うん。中学の時から付き合ってるんだぁ!」
「本当!?もっと詳しく聞かせて♪」
郁美は私が思ったより、
ものすごく食いついてきた。
「うん。郁美が言わないって約束してくれるなら、答えられる範囲で答えるよ♪」
「するする!!
愛梨と話すときしか言わない♪」
郁美は満面の笑みで言ってきた。
「うん!」
「えっ!で、今ってどれくらいなの??」
「んとねー。今月で10ヶ月♪」
「なんか…妊娠した言い方みたい!」
「妊娠はしてません!」
バカをいれながら話したんだ。
「へぇ~。じゃあ、愛梨は彼氏が好きなんだ!」
「えっ!もちろん♪」
すべてを話終えると、郁美はからかいをいれ始めてきた。
「なんか…相思相愛って感じ?
いいなぁ!羨ましぃ~♪」
えっ?
"相思相愛って感じ?"
郁美の言葉が頭でリピートされた。

