「さみぃー」


「早く!」


学校の帰り道。
拓海に腕を引かれながら、歩いていた。


「何でそんなはしゃいでんの?」


「ヨシとデートしてるからっ♪」


そんなことを、ためらいなくさらりと言っちゃう拓海。


「キモッ」


「うわー傷つくわー」


「はいはい。勝手に傷ついててください。」


「ハハッ」


実際ポジティブすぎて傷つかないくせに。


そんなことをいいながら歩き、カラオケに入った。


「歌いまくるぞー!」


なにかとハイテンションな拓海。

それを黙って見守っていた。


きっと拓海になにかがあったんだと悟ったから。


「ヨシ、デュエット歌おうぜ!」


「はぁ?頭おかしんじゃね?」


「いいからいいから♪」


腕を組まれ歌うはめに…。

やっぱりおかしい。


数時間歌い込んで、ようやく解放された。


近くのファミレスに入り、夜ご飯を食べた。


「ヨシ歌うまいのな♪」


「全然」


「うまかったから!」


いつもの拓海だが、やはりちょっと違う。