「うちね…本当は好きな人いたんだ…」


「うん…ってえぇ?」


は、初耳!!!!!


卒業式に大輝に告られた。
恋はいつも叶わなくて、告白されたのは初めて。

それは分かった。

"好きな人いたんだ…"
いたの?


「好きな人いたの?」


「うん…」


沙由は頷きながら言った。


「あ、中断してごめん!いいよ、続き!」


「うん。それでね、大輝が嫌いな訳じゃないけど、"好きな人がいてまだ吹っ切れてないんだ…"ってうち、言ったの。」


"好きな人がいてまだ吹っ切れてないんだ"

まだ??
吹っ切れてない?

どうして大輝に?

ちょっと疑問を感じたが、言わなかった。


「そしたら、"いい。徐々に俺のことを考えてくれればいいから"って大輝は言うの。」


大輝かっこいい!


「うん」


「うちね…ずっと大輝の存在に支えられてたから…。嬉しくて泣いちゃったの。」


支えられてたから?

微妙に内容がわからない。


「うん」


「だから、付き合うことにしたの。徐々に大輝に惹かれている自分がいたのは確かだったから…。」


沙由…。