紅蓮の姫

「じゃあ行ってくるね」

また優希から離れて学校の敷地内へ

女の子は怯えを覚悟で隠した表情―――私がよくする顔付きで歩いて来る。


私が先に声をかけなきゃ


「ねぇ!トイレ行きたいんだけど。先生にバレない様な場所無い?」

「えっ?」


覚悟してたのにごめんね。

でもきっと…
きっとどこかに連れてってくれる

「お前何言ってんの?」

少し声を大きめで言ったから優希にも聞こえてる。
ちょっと恥ずかしい。


「無いかな?連れてって」

「あ。……はい」

目を見て強く訊くと意図を察してくれた

2人で校内へ歩く。

たぶん、結衣ちゃんは……