紅蓮の姫

あ、答えてくれた。

「結衣ちゃん?もしかして彼女?」

「妹。2-7、一ノ瀬結衣」

睨まれちゃった。
まぁ普通はそうだよね。

でもさ、妹?って訊いて彼女だったら失礼じゃんねぇ!


「一ノ瀬結衣ちゃんね。訊いて来る……あ、名前何て言うの?」

暴走族のこの男から離れて訊いた方が絶対答えてくれそう


「…は?だから結衣」

「違うよ。あなたの名前」

「……優希」

「一ノ瀬優希?私、藤林鈴ね。行ってくる」

今度こそ聞き込み開始だ。



優希は怖くない。
だってカズの仲間。そして黒龍だ。


『黒龍は……怖くない』