紅蓮の姫

「どうしても駄目?」

「ダメだ」

「たまには良いじゃん」

「ダメだ」

「行きたいの」

「ダメだ」

キリが無さそう………

「何で駄目?どうしたらいい?」






「お前、自覚あんの?」

「……何の自覚?」


蓮司が静かに立ち上がり、未だ扉付近に立ったままの私の元に近付く。

「お前は姫って自覚あんの?」


遂に私の目の前まで来た。

私の顎を掴んで無理やり目を合わせる

強い目だ

少し怖い


でも………

「…私、姫じゃないよね」

目をきちんと捉えて答える