ブー―ブー―ブー―


「………」

「………」


鳴り続けてるから電話だろう。

私のは……鞄の中だよね。

鞄を置いた部屋の奥に在る椅子をチラッと盗み見た。


鳴ってるのは間近でベッドにも振動が伝わる場所


「出ないの?」


なのに全く出る気が無い

相手を見たのか見てないのか、一瞥したきり無視してる。


電話は一度切れ、また直ぐにかかってきてて…
よほどの急用だと思えるんだけど…


蓮司もそう思ったのか、やっと携帯を手に取った


「問題起こすなつっただろ」


……え?そんな事言ってたの?


紅燕様
総長様
蓮司様が怖いよ―――