紅蓮の姫




「ぁ、あの~~蓮司?」

「ああ」

「えっと…腕、外して?」

「ああ」





………う~んと。



起きてくれた蓮司にホッとしたのは確か。
でも。
起きただけで動かない。

更には動かしてくれない。


私に回された腕をそのままに、空いた片手で器用に煙草を吸い始めた。

それが様になってる事は置いといて

……どうしよっか。



そういえば、朝は一服必要だって聞いた事あったな。

言ったのは誰だっけ…

寝起きだからやっぱりタツ?

でもそんな知識教え込まないし、じゃあ……



「先にすりゃ良かったな」

「え、何を?」

蓮司の煙草は既に短く、灰皿で潰されてるところだった