でも、そろそろ起きたい。

ホテルって、朝に出なきゃいけないんじゃないっけ?

そっと、蓮司の腕をどけてベッドを降りた――



「ゎわわ」

――ところでバランスを崩した。

変な体制で動いた事もだけど…


「勝手に行くな」

腕を引っ張られて、そのままベッドにまた倒れてしまった。

掴まれた腕はいつものあの力で、せっかく外したのに、また腰に腕が巻き付いてて


「どこ行く気だよ」

少し掠れたその声は眠気を含んでる。

寝起きの蓮司って機嫌悪いんだ…


「どこも行かないよ。起きただけ。おはよう蓮司」

「…………ああ」