紅蓮の姫

「あっ………樹?」


誰も居ないと思ってた部屋には、ソファーに樹が座ってた

入ってきた私をチラッと見て、また視線を落とした


「下、行かないの?」

前のような近付くなオーラを感じた。

雑誌を見てる辺りも、以前のようで…


軽蔑……されてる


怖かった。

蓮司が許しても、やっぱり個人的には


「色どっちが良いと思う」

そう言って雑誌を見せてくる



「へ?……………新しいの買うの?」

「部品だけ」

「そう、なんだ。……コレどこの部品なの?」


嬉しかった。

変わらない態度が。

バイク全然分からないのに、話に混ぜてくれた事が。