紅蓮の姫

そう言うや否や…
さっさと席を立ち、扉を出ていってしまった光

そんなに急ぐ事なのかな?

何か焦ってる様な…



「女の涙ぐらい慣れろよな~。俺も手伝って来んわ」

いつもの間延びした声で、祐も続いた。



「私、こんな顔で出れないのに」


マスカラはさっき落としたから、パンダ目は大丈夫だと思う

…てか信じたい。

でも絶対に酷い顔だろう




「もう決まりみたいだし……鈴ちゃんは蓮司と一緒に一旦家に戻ったら?」

「蓮司と?」

「そ。蓮司居なきゃ始まんないし、良い足止めになるからさっ」

「……行くぞ」


良いのかな?
何て考える隙は無かった