紅蓮の姫

キレた男に――大人に敵うはずもなく、あっさり引っ張られ、抱えられた私


「こっちのガキどうする?」

「要らねぇよ。ガキはお家に帰んな」


そんな私と手を繋ぎ合ったままのカズ。

カズは帰れる―――

良かったと思う反面、悲しくもあった。

見捨てないで…そんな気持ち


「俺は鈴と一緒に居る!」

カズが吠えた。

どんなに男達が引っ張っても、私にしがみついたまま離れない。





結局男達が折れ、カズは車に乗った。



私との手をそのままに――


互いに強く握り、小刻みに震える手

震えているのは私だけではなく、前を見据えたカズの手も…