紅蓮の姫

「藤林鈴ちゃんだよね。迎えに来たよ」

停まってる車に促すけど、私には訳が分からない。

カズと顔を見合わせるけど、結果は変わらない

「迎え?もしかしてタツ兄が?」

「そうだよ。さ、乗って」



直ぐ分かった。
この人達はタツの敵だと。

同時に怖かった。
私にはどうする事も出来ない。



「違う!タツは今日来るなって言ったもん。それに迎えに来るなら葵さんが来るはずだもん」

言い切った。

精一杯の強がり。
握っているカズとの手が震えてるのが分かる。



「ゴチャゴチャ五月蠅い。さっさと乗れ」

「嫌、離して」


男の言葉が、態度が一変した