水没を免れた携帯に安堵しながら、今の状態を考える。


「蓮司どうして?もう止めてよ」

声をかけても抵抗しても無視

もう服も髪もずぶ濡れだ…






「蓮司?何やって………って鈴!」

騒ぎを聞きつけたんだろう。光を先頭に皆が駆け付けた。


「蓮司止めろ」

蓮司の手から無理矢理奪われ、大人しくなったシャワーヘッドが床に落ちる



「蓮司……」

やっと上げた顔に映ったのは、懐かしく思える皆の顔

そして、静かに佇む蓮司



その目は、あの日に似てた。

蓮司に抱かれた…あの日

何を言っても応えなかった、あの悲しい瞳