紅蓮の姫

静かにカズに向き合う


「カズ………タツと同じなの。雰囲気とか、目つきとか…重心のかけ方とか」

「………は?」

「だから分かったの。仕掛ける瞬間も」

「…………」


あれ?
言葉を濁しすぎたかな…

でも、跳び蹴りのタイミングってバレたら大変な事になるし





「俺は達也さんと同じか……分かった。行けよ」

カズに背中を強く押された。


「行くぞ」

その瞬間、いつもの力で腕を引かれた。

そのまま倉庫の外、停まっている蓮司のバイクへ



「カズ!言い忘れてた。黒龍、総長おめでと!」

大声で、笑顔で――

私の、大切な幼なじみ