紅蓮の姫

考えて無い。悪い未来は想像したくないから

「あ、タツが自分に言えって。兄貴としてぶっ飛ばすんだと」

「ぶはっ。……達也さん、相変わらず鈴大事にしてんなぁ」

笑われた。
いや、笑い続けてる。

久しぶりに笑ったカズを見た。







「まぁ大丈夫だろ。そろそろ行くか」

「えっ………どこに?」


一通り笑ったカズは、私の問いには応えず促す。

小さな鞄を肩に掛け、促されるまま下へ




扉を開けるまで気付かなかった。

下では殺気立ち、緊張が走っていた。


その中心には黒龍の幹部

そして、燃える様な赤い髪――

「―――蓮司」