紅蓮の姫

向かい合って座る私達

数ヶ月前と同じその場所は、実は小さい頃座って居た場所と同じで



「カズはずっと覚えてたんだね。……ごめん、私だけが忘れて」

「何で思い出した?やっぱアイツらが「関係無い!」

つい大声を出してしまった。
カズが怖く感じたから…


「蓮司は関係無いよ」

「蓮司は、か……」

なのに、一変して悲しい表情になった。

そんな……
そんな悲しい顔しないでよ



「ずっと、変だったの…。ずっと、大事な所で記憶が途切れてて……でも、感情に任せると口走っちゃうの」

黒龍が、どんなに良い所かを。
黒龍を、否定されたくなくて。

私は黒龍が好き。

昔も、今も…………