紅蓮の姫

「青蛇……なんだけど。過去に何かあった。…よね?」

体がビクッとしたのが分かった。

分かってる。訊かれるとは思ってた。
ちゃんと覚悟もしてきた。

はっきりと。首を小さく縦に振る


「何があったの?」

今度は横に。


「そうだよね~……青蛇の中で知ってたのは総長だけ?」

え?
総長って、最後のあの男だよね?


全身洗ったのに、また気持ち悪くなってきた。

もう無かった事にしたんだけど…やっぱり私、弱いな…

樹を見たら頷いてくれた。


「私知らないよ。あの男、初対面だったし…」

「……。そっか…」