紅蓮の姫


私は……………此処を出て行くべきなんだ


押された反動のまま歩いていたけど、足が止まった。

座る必要も無い。


軽く目を瞑って顔を上げる

「―――っっ」


上げたのか、上げさせられたのか


「言え!今何を考えた」

目の前には蓮司

顎を思いっ切り掴む手から、厳しい口調から、私を見る目から、蓮司の怒りが伝わる


「私は―――」

言え!何て言ってたのに、喋り出した途端に強まった手の力

あまりの痛さに耐えきれず、身を捩って逃げようとする




「止めろ蓮司っ」

私達の間に無理矢理体をねじ込んで来た

おかげで光という壁が出来た