再び激怒した男

後の2人も迫り来る

また樹を殴る気だ――


そう気付いた瞬間、男の腰に飛び付いた

何になるかは知らない。
ただただ止めたくて―――


「―――ぐっ」

くぐもった声が聞こえた

「こいつ、離せっ」

間近から怒り声が聞こえる

「鈴さんっ――」

純が何か叫んでる


「このっ」

遂に腕を強く引っ張られて男から離された

―――バキッ


あ………グーだ。

さっきとは違う、ズキズキとジンジンとする痛み

殴られた頬に熱が集中する

―――痛い。
―――怖い。


生理的な涙が頬をつたる