近付いて来た男の顔
その耳に思いっ切り歯を向ける

「てめぇっ」

掠りもせず、咄嗟に避けられた。


跨ってた男は上体をあげ、腕を押さえる男は力を込めた。


腕が地面とより接触するのに合わせ、肩をひらく。

狙いは低めに。

歯は食いしばったままで

膝を蹴り上げる―――
狙いよりも、とにかく力重視で。



私は喧嘩慣れなんてしてない。

でも………
男相手に狙う場所なんて決まってる

男の弱点って言ったらココしかない!


「――――っ」

跨ってた男が股間を押さえ横に崩れる


蓮司にまたあんな顔をさせたくない。もうあんな顔を見たくない


だから…私は抵抗する