「――祐?祐、違うからね。こっち「残念」

え?
圭君が携帯をプラプラ振る

通話の切れた私の携帯


「――圭君の馬鹿!」

「鈴、そろそろ話良いだろ?時間無くなる」

「……分かった」

不満だけど、仕方ない。
圭君を思いっ切り睨んでからさっきまで居たソファーに座る。


「あ、手。ごめんなさい」

そこで思い出した。
手を掴んでた男の存在を。

咄嗟にしちゃったけど…痛いのは一瞬だ。
痛みも残らない。
けど、強面顔は怖いまま