蓮司のバイクは気持ちいい。

たぶん私に気を遣ってるんだと思う。
光や周りが暴走しても爆走しても走るだけ


時に先頭を、時に真ん中を。

私はずっと見回すばかり。

前後を左右を。
時々―――蓮司を


「後ろ乗って良かったの?」

「………」

やっぱ聞こえないよね

「特効服、背中隠しちゃってるけど」

「………」

私が居るせいで見えない紅の燕

「ごめんね。昨日は」

「………」


一番言いたかった事。
タイミングを逃してしまって面と向かって言いずらい。

後できちんと言わなきゃ


「………別に」