蓮司の顔も見てないし、昨日の事も謝ってない。
早いうちに話をしたかった


「ごめんね~。私聞いちゃまずい話だったからさ。強引に連れ出しちゃった」

「いえ、大丈夫です」

それは感じてた。ピリピリしたあの部屋の雰囲気を

私も――私こそ、聞いちゃいけない話なんだろう



「そういえばさ、やっぱここ来たの久しぶりでしょ?」

「どうして……」

「珈琲。空だったからさ、冷蔵庫の」

「………」

「どうした?」

「………」

答えられる訳がない。
私には此処に居る理由が無いなんて―――