「それは・・・先生と生徒だから?」
溜まらずに聞いてしまった。そんな事言ったら認めた事になるのに・・・。
「違う!!俺は恋愛は自由だと思ってるから、先生と生徒が付き合っても、そんなのは本人たちの自由だ。そんな事じゃないんだよ」
「じゃあ何なのっ!!」
杉山くんのダメの意味がまったく分からずに、あたしは思わず叫んでしまった。
あたしのそんな姿に杉山くんは驚いた様子だった。
だけど、それでも理由を教えてくれようとはしない。
「俺は・・・椎名があいつと付き合うなら諦めない。何が何でも奪ってみせる。それが椎名を守る事だから」
杉山くんはそう言い残して帰って行った。
あたしは何が何だか分からないまま、暫く立ち尽くしていた。
どうして・・・
どうして先生はダメなの?
先生と生徒が理由じゃないなら何?
杉山くんの言ってる事・・・全然分からないよ。
幸せだった時間が、一気に崩された感じがした。
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