『お前らは何も分かってないんだな。椎名は地味なんかじゃない。ただ、自分に自信が持てないだけだ。それでも、ありのままに真っ直ぐ生きてる椎名は強いと思うよ、俺は』
和泉先生の言葉が嬉しすぎてあたしはその場にしゃがみ込んで泣いてしまった。
自分に自信が持てないせいで、思った事を口に出来なかった時も多かった。
周りに合わせるしか出来なかった・・・。そんな風に誰かに言ってくれたのは初めてだったから・・・。
「その・・・時から・・・あたしはずっと先生の事を・・・・んっ・・・」
和泉先生はあたしの言葉を最後まで聞かずに唇を塞いだ。
突然の事で驚いて目をパチパチさせたけれど、あたしは先生の温もりを感じるかのようにゆっくりと目を閉じた。
触れ合うだけのキスを先生は何度も何度も角度を変えてしてくれた。
されるがままにしか出来ないけれど、キスだけでお互いの気持ちが言葉にしなくても、分かり合えるような気がして、本当に嬉しかった。
