先生は大人だから、もっと余裕なのかと思ってた。
だけど、それは違うんだって事に気づけて、少し肩の力が抜けた。
「今日はさ・・・美咲に聞きたい事あるんだけど」
あたしは戸惑いながら先生を見上げた。
「・・・聞きたい事って何ですか?」
「美咲は・・・俺のどこを好きになったの?」
そんな事だとは予想がつかずに、あたしは更に戸惑った。
きっかけはあるにしても、今は理由なんか分からないほど好きになってしまっている。
でも、それをどう上手く表現すればいいのか分からなくて、素直に答えた。
「えっ・・・と・・・・理由なんかないです」
先生は驚いたのか目をぱちぱちさせながらあたしを凝視した。
「す、好きになるのに・・・理由がないとダメですか?」
先生の瞳を見つめるのは恥ずかしくて、ドキドキするけれど、あたしは先生の目を反らさずに言った。
「・・・・ダメじゃないよ」
そして、先生はとても優しい表情であたしを見つめた。
その優しい目が見てられなくて、先生を好きになったきっかけを話した。
