「椎名!!大丈夫だって」
なかなか笑えないあたしに杉山くんはポンっと肩を叩いてくれた。
本当に杉山くんって優しいな。きっとあたしなんかよりもっといい人が杉山くんにはいい気がする・・・。
それから何だかんだと他愛もない話をして、告白を断った事なんてすっかり忘れるくらい普通に接する事が出来た。
杉山くんが普通なのに、あたしが余所余所しいのもなんだか変な気がするから・・・。
だけど、突然真海がとんでもない事を聞いてきた。
ニヤニヤとあたしに近づいてくる・・・・
「な、何?」
「美咲・・・・もうキスした?」
余りにも唐突過ぎて、食べているものを噴出しそうになった。
だけど、あたしよりも杉山くんの方が慌てていた。
「・・・・・な、何でそんな事聞くの?」
声が上ずってしまって、これじゃあキスしましたって言ってるようなものだった。
「何かさ・・・美咲の唇が潤ってるんだよね」
う、潤ってるって・・・何?
キスしたら唇は潤うものなの?
