わざとなんだろうか?それとも計算なんだろうか?
今井先生はニコニコとあたしの頭を撫でた。
どうしよう・・・どうすればいいんだろう・・・
あたしと先生は付き合っているわけじゃないし、ただあたしが一方的に告白?しただけで・・・でも杉山くんの告白はちゃんと断るつもりだし・・・
あたしの思考回路はパニック寸前だった。
和泉先生の痛い視線を浴びているけれど、目を合わせる事が出来ない。
すると、今井先生が【トイレ】と言って立ち上がり、波風を立てておいてその場から離れた。
あたしと和泉先生がいる所だけ、シーンと静まりかえっていた。
和泉先生は無言のままだ。それに耐え切れなくなったあたしは、何とか勇気を振り絞って言葉を発した。
「こ、ここの料理おいしいですね」
今のが精一杯の勇気・・・本当に自分が情けないと思う。
すると和泉先生が口を開いた。
「・・・・ホントなの?」
「え?」
「さっき、優希が言ってたこと」
心なしかどこか先生の声が怒りを含んでいるような気がした。あたしは嘘を付くわけにもいかず、俯いて小さく答えた。
「・・・はい」
「・・・・・椎名は何て返事したの?」
